「藤戸の浦(ふじとのうら)」
有吉 佐和子作
佐々木盛綱の話。
『平家物語』『源平盛衰記』にも記されていますが、有吉氏は母に子供を配し、為政者と庶民と云う対照でその内容は、現代にも通じます。
「赤猪子(あかいこ)」
有吉 佐和子作
雄略帝のお話。『古事記』より出典。
狩に出られた雄略帝が出会った赤猪子に「召す」と申されたまま八十年そのまま・・・。再会した二人は・・・。
「女の四季(おんなのしき)」
有吉 佐和子作
少女、娘、女房、老母を、春、夏、秋、冬を背景に謳いあげた作品。
「加賀の千代(かがのちよ)」
村上元三作
千代女の句を織り込み一生の心を表現した作品。
「桜しぐれ(さくらしぐれ)」
土岐 善麿作
有名な吉野太夫の情緒と、教養やたしなみに溢れた作品。
「三井の晩鐘(みいのばんしょう)」
梅原 猛作
画家三岸節子の作品に材を取り、母の身を捨てての愛情。笛のみの演奏と異色感動の作品。
「時雨西行(しぐれさいぎょう)」
第十五回「春藤会(しゅんとうかい)」初演の作品。黙阿弥の作。
西行法師は世を儚んで出家し、諸国行脚に出ます。江口の里で一夜の宿りを乞い、遊女と身上を語るうちに目をつぶると一変して普賢菩薩として心にうつり拝まれたという名曲。
吾妻流の代表演目となっています。
「北州(ほくしゅう)」
北州とは江戸の北にある廓(くるわ)、吉原を指し、そこの四季の風物を叙したものです。
一般には素踊りの御祝儀ものとして踊られていますが、藤間万三哉(まさや)(吾妻徳穂夫君)の独創的な振付により傾城(けいせい)姿で踊ります。
「傾城道成寺(けいせいどうじょうじ)」
亨保十六年江戸中村座初演。江戸に於ける道成寺者の最初の曲といわれています。爾来あまり上演されていませんでしたが、古典復活の波にのって、近年各流で上演される事になりました。昭和円十年二世宗家の第一回徳穂の回に於きまして「道成寺三趣」に取り上げて以来、好評を博し、極めつけとされて居ります。
他の道成寺と違う点は多々ありますが、特に、曲の中葉に急の舞があり、鐘入してからくどきと特殊な構成になっております。傾城葛城が小夜の中山寺に辿りつき、現世の苦しみから逃れようと無間の鐘を掻き、地獄に堕ちて責苦にあうという筋から別名『無間鐘新道成寺』『中山道成寺』ともいいます。
「熊野(ゆや)」
「謡曲能野より」
熊野(ゆや)とは女性の名前。平宗盛の愛妾。里にいる母親が病気となり、いとま乞いをするが許されない。お花見に心ならずも同行するが、花を散らす春雨に歌一首「いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん」に宗盛も暇を与えると云う内容。